ライオンスマンション上大岡第5

今回の住宅は、「ライオンズマンション上大岡第5」です。所在地は横浜市南区別所です。依頼人はかねてよりお世話になっている横浜市中区に拠点を置く不動産仲介会社様です。旧耐震のマンションは公団や住宅供給公社など公的機関が開発した案件が多いです。このような公的機関の開発した案件は構造的に教科書的な設計が多いですが、民間開発では設計の仕様書が違うようで、設計図にて分析を行って始めて適合になる場合が多いです。

今回も民間のデベロッパーが開発したマンションなので多少の心配ははありましたが、設計図閲覧の結果余計な心配でした。 設計図は大京グループの管理会社「大京アステージ」にて保管されています。アポを取り設計図の閲覧要請日に委任状を持参して参りました。みなとみらいの大京アステージにて担当者立会いのもと、設計図をデジカメ撮影して記録しました。シッカリと設計図が保存されていました。 簡易耐震診断には十分な構造設計図です。

帰途の途中に上大岡の現地に立ち寄り、現地調査を行いました、管理状態は年代的な老朽はあるものの、特に不適合になるようなものは見当たりません。このマンションはコンクリートの強度試験が必要です。壁式構造には二つのタイプがあります。一つはライオンズマンション上大岡第5に見られる現場打ちと、二つ目のプレキャスト構造です。 現場打ちの場合ではコンクリートの品質確認のためにコンクリート強度試験があるのです。

ライオンズマンション上大岡第5は耐震診断にて旧耐震のマンションではあるものの、「耐震基準適合証明書」が発行可能な住棟でした。

旧耐震マンションの適合証明が高額になる理由

ライオンスマンション上大岡第5

旧耐震マンションの耐震基準適合証明書発行費用は、新耐震マンションに較べると高額になります。それには理由があります。その理由は新耐震マンションに較べると手間がかかるからです。手間=費用ですから。 耐震基準適合証明とは、現状の耐震基準に適合していることを証明することです。現行の設計基準に準じて設計されていることを証明する根拠は確認申請の適合通知です。しかしこの手法は旧耐震のマンションには使えません。確認申請の適合通知が旧耐震だからです。旧耐震はNGになります。

証明の手段は、この旧耐震のNG要件を克服するために耐震診断を行い、構造強度の維持されていることを証明することです。耐震診断には構造設計図が必要で、そのために管理組合が保存している設計図の閲覧が必要なのです。壁式構造のタイプが現場打ちならコンクリートの強度試験が必要です。 これらの作業は新耐震のマンションには不要な作業です。この作業こそが旧耐震マンションの適合証明が高額になる理由です。ですが、高額になってもその費用を支払っても有り余るメリットを取得できるのです。

もしもあなたが検討中の旧耐震のマンションがあるなら、その構造が「5階建て以下の壁式構造」なら、少々高額でも耐震基準適合証明書を取得すべきです。壁式構造であるか否かの判断は一般の人には難しいかもしれません。もしもそのようなお悩みがあったら、いつでもお問い合わせをいただければと思います。