あざみ野住宅3-1-3号棟

今回のマンションは、「あざみ野住宅3-1-3号棟」です。名前の通り、青葉区のあざみ野に位置します。 依頼人は、横浜市神奈川区に営業拠点を置き神奈川県全域で事業展開をする不動産会社様です。今回のあざみ野住宅が旧耐震マンションの耐震基準適合証明書に対応できる事務所をお探しでした。HPからのお問い合わせです。

あざみ野住宅は昭和57年3月より建てられた大規模ニュータウンです。旧耐震は昭和56年5月31日以前に確認済証を受けたものですから、昭和57年3月より建てられたあざみ野住宅は新耐震マンションに見えますが、そうではありません。

新築時期と確認日は違うのです。建物を建てる時には作成した設計図を含む設計図書を役所に提出して申請建物が法律に準拠しているか否かの確認を受けます。その結果許可されるのが確認済証です。この確認日が昭和56年6月1日以降なら新耐震マンションになります。

一般的に表現する「新築日」とは、新たに建てた建物を法務局に所有権登記を行うことを言います。なのであざみ野住宅が建てられた昭和57年3月は、確認済を受けた建物を物理的な工事を行う期間を経て所有権登記した後の日です。実際のあざみ野住宅の確認日は昭和56年5月31日よりも前になっておりますので、まぎれもない旧耐震マンションです。

前置きが長くなりましたが、あざみ野住宅は当時の住宅・都市整備公団により分譲された低層階マンションです。あざみ野住宅は、当時の経済成長による東京圏が爆発的な人口増加による住宅不足に対応するために開発された大規模なニュータウンです。

周辺は公園が点在する閑静な住宅地で、あざみ野団地には数多くの棟がありますが、全ての棟が木々を挟んでゆったりと配置されていて日当たりは良好、通風にも優れています。敷地内には子供が遊べるプレイロットがあり、子育て世代に重宝します。

小学校・中学校・ドラッグストア・コンビニエンスストア・各種クリニックは徒歩5分圏内、銀行・スーパー・図書館は徒歩10分程度と日常の利便性も高い環境です。あざみ野団地の最寄り駅は、東急田園都市線、横浜市営地下鉄ブルーラインあざみ野駅で、駅から徒歩10分です。

設計図の閲覧と現地調査

あざみ野住宅3-1-3号棟

旧耐震のマンションを新耐震の建築基準に適合していることを証明するために耐震診断を行います。そのために設計構造図の閲覧が必要です。 事前に売り主側の代理人によって閲覧承諾を頂いており、それに基づきアポを取って管理事務所に伺いました。 

事前に連絡をしていたために該当の設計図を用意していただいておりました。 ただ、棟数が多いあざみ野住宅は設計図が共通図を編集した構成になっていて、今回の3号棟の必要図面を抽出するのに難儀をしました。

対象の3号棟は典型的な壁式鉄筋コンクリート造のマンションでした。壁式構造には2種類の構造様式があります。プレキャスト壁式鉄筋コンクリート造と現場打壁式鉄筋コンクリート造です。 プレキャスト造は壁や床のコンクリート版を工場にて事前作成し、現地で組み立てる方式で、現場打は字の通り鉄筋や型枠を現地で組み、現地でコンクリートを打って作る工法です。

あざみ野住宅は現場打の壁式構造で、コンクリートの強度確認が必要でした。 現地調査と合わせて、対象住宅のメーターボックス内部でコンクリート強度試験を実施しました。 結果はすべての計測結果が基準をクリアーしていることが確認できました。

建物自体は適切な管理のために維持状態も良好で、構造的に問題は特にありませんでした。関係者の皆様、ありがとうございました。